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2019.05.06 20:01
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日本が誇る「醤油」大研究~製法・美味しさの秘密・種類・保存方法まで

日本人の食卓に欠かせない調味料「醤油」。旨味がぎゅっと濃縮され、どんな食材にもマッチするその味わいは世界にも愛好者が多く、いまや100ヵ国以上で販売されているという人気ぶりです。しかし、私たちにとっては非常に身近な存在だからこそ、実はあまり知識がないという人も多いのでは?そこで今回、日本の食文化を代表する「醤油」の魅力にせまります。

江戸時代から伝わる伝統の製法が世界で評価

油のルーツは古代中国の「醤(ジャン)」。日本には「醤(ひしお)」として伝わりました。醤は、野菜や海藻、魚、肉、穀物など様々な材料から作られますが、日本の醤油は穀醤(こくびしお)が原型です。当初は醤油と味噌の中間のようなものでしたが、やがて醤油の元といえる溜(たまり)が登場、そして江戸時代には今の「こいくち」にあたるものが作られ、醤油は大きく発展しました。主な原料は大豆と小麦と塩で、それに麹菌、乳酸菌、酵母などが働きかけて、独特の色や味、香りを作り出しています。この製法は江戸時代からさほど変わっていないそうで、当時から高品質を誇っていたことがわかります。

美味しさの秘密を科学的にひも解いてみましょう

焼き鳥

刺身や寿司には醤油が欠かせません。醤油は魚の味を豊かに引き立てるだけでなく、生臭みを消す作用も持ちます。魚だけでなく肉や野菜にも合いますし、口に合わない食べ物でも醤油をかけるとおいしく感じられるということも…。まさに「万能調味料」といえるそのおいしさには、人間が味を感じる際の5つの要素がすべて関わっています。醤油には、これら5つがじつにバランスよく含まれているのです。

微生物が作り出す独特な香りも魅力のひとつ。醤油の香り成分は300種類以上にのぼりますが、特定の香りが目立つことはなく全体が調和しています。加熱すると香ばしさがさらに際立ちますね。

甘味
醤油には約15種類の糖分が含まれる。中でも、小麦のでんぷんが醸造中に変化したブドウ糖が多い。糖分は全体の味わいにやわらかさや丸みを与える。
苦味
苦味アミノ酸やペプチドなどがわずかに含まれる。苦味を直接感じるというよりは、味に「コク」を与えてくれる、隠し味的な要素。
酸味
酸味とおいしさには深い関係がある。最もおいしいと感じるのは弱酸性(pH4~5)で、醤油はその点でも理想的な値(pH4.7~5)を示す。
pHは溶液中の水素イオン濃度を表し、pH7が中性で、7~0へと数値が下がるほど酸性に傾き、7~14と上がるほどアルカリ性を示します。おいしいと感じる食べ物はたいてい酸性に傾いており、とくにpH5前後の弱酸性がおいしく感じられるのです。
塩味
醤油の塩分はこいくちで16~17%。海水の約5倍の濃度があるのに塩辛く感じないのは、アミノ酸や乳酸などが塩味をやわらげ、味に深みを与えるため。
健康面を考えると塩分は減らしたいところですが、塩分濃度を下げすぎると理想的な発酵が行われないのだとか。生活習慣病が気になる方には「減塩」の醤油がおすすめ。通常の醤油製造後に塩分のみを取り除くという手間がかかるため値段は高めですが、減塩ながらも旨味と香りは生きています。
旨味
大豆と小麦のタンパク質が麹菌によって分解され、約20種類のアミノ酸に変化して、旨味を作り出す。中でもグルタミン酸は醤油の旨味の主成分。
多くのアミノ酸類は窒素化合物なので、窒素含有量=旨さの指標といえます。JASによる品質基準でも、窒素分の含有量が高いほど上級となります。

「うすくち」は味が薄いわけじゃない。意外と知らない醤油の種類

数ある醤油の中でも一般的なのは「こいくち」です。これは「JAS5分類」(コラム参照)による分け方で、ほかに「製法による分類」「等級による分類」があります。

製法の主流は「本醸造」で、全体の8割がこの方法で作られます。そして等級は、品質による区分のこと。「特級」「上級」「標準」があります。基準となるのは窒素分や色度などで、中でも重要なのは旨さの指標である窒素分の含有量です。特級より窒素分が多いものには「特選」「超特選」などの表示も認められています。

醤油の五分類
一般に「醤油」といえば『こいくち』のこと。日本の生産量の8割を占め、食卓用のほか料理にも幅広く使われます。『うすくち』は漢字で淡口と書き、色が淡いことに由来します。味や塩分が薄いわけではありません(実際、うすくちのほうが塩分は約2%高いのです)。色が淡く香りもおとなしいのでつけ・かけ用には不向きですが、素材の色や持ち味を生かす関西風の煮物やうどんのつゆなどには最適です。3つ目の分類は『たまり』。とろりとコクがあり、寿司や刺身にぴったり。加熱するときれいな赤みが出るので照り焼きやあられのつけ焼きなどにも使われます。4つ目は『さいしこみ(再仕込み)』。甘露醤油、刺身醤油とも呼ばれ、色も味も濃厚です。5つ目は、うすくちよりさらに色の淡い『しろ』。味は淡白ですが甘味が強く、独特の香りがあります。

こだわりの醤油は上手に保存して早めに使い切る

醤油は時間とともに色が黒っぽくなり、風味も落ちます。開栓前なら直射日光を避けた常温で長期に保存しても腐敗はしませんが、賞味期限以内でもなるべく早めに使いましょう。

開栓後は空気に触れると酸化が進むので、きちんと栓をして冷暗所に保存します。季節や室内の環境によっては冷蔵庫に入れたほうが無難。保管してある容器から、卓上用の小型容器に少しずつ移し替えて使うのも、品質の保持につながります。保存法に十分気をつけた上で、1ヵ月くらいで使い切るようにしましょう。

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